鶏肉のプリケ / Pulique (Pul'ik) de pollo
調理時間:1時間半程度
プリケ(Pulique、Pul'ik)と呼ばれる、トマトを基本とした少ない食材とトルティージャのもとであるマサ(Masa)でとろみがつけられたルゥ(Recado)が特徴的な料理です。アパソ―テ(Apazoteまたはエパソーテ(Epazote))と呼ばれる香草で香りつけられ、アチョーテ(Achiote)と呼ばれる天然食用色素・赤で赤みが加えられています。鶏肉で作られたプリケは守護聖人に感謝を伝えるお祭り(Feria patronal)の開催期間中に家庭でも作られる市がいくつかあります。
つ
ながり食材を準備する
- 鶏肉(骨付き)‥300g程度(3切れにしたもの)
- はやとうり(Guisquil)‥1/2個(くし切りにする、皮は剥いても◎)
- じゃがいも(小)‥6個(皮を剥く)
- にんじん‥1本(皮を剥き、6等分にする)
- 玉ねぎ‥1/3個(皮を剥く、鶏肉への香付け)
- イタリアントマト‥1個(鶏肉への香付け)
- アパソ―テ(Apazote)‥お好みで(鶏肉への香付け)
- 食塩‥小さじ1/2
- イタリアントマト(中、未熟のもの)‥250g程度(手で適当な大きさに割く)
- ミルトマト(Miltomate)‥25g程度(手で適当な大きさに割く)
- 玉ねぎ‥2/3個(皮をむき、輪切りにする)
- チレ・グアケ(中)‥1/2個(手で適当な大きさに割き、鶏肉のゆで汁を加え柔らかくする)
- アパソ―テ‥少々
- マサ(トルティージャのもと)‥大さじ1程度
- アチョーテ(天然食用色素・赤)‥少々(ほんの少し、ひとつまみ程度で〇)
- 食塩‥小さじ1~(お好みで)
- 黒コショウ‥お好みで(ホールの場合は挽く)
作ってみる
1. 普通の鍋にたっぷりの水を入れ、火にかける。沸騰した湯を、土鍋に移し入れ、そこに鶏肉、玉ねぎ、イタリアントマトとアパソ―テを加え、中火~弱火にかける(鶏肉に火が入り、柔らかくなるまで加熱する(1時間程度))。
ポイントは熱湯から鶏肉を茹で始めることです。水から鶏肉を茹で始めるよりも、水温が上がりやすく、時短にもなります。
2. 1の鶏肉が柔らかく煮えたら、はやとうり、にんじんとじゃがいもを加え、それらが柔らかくなるまで加熱を続ける(30分程度)。
3. ≪ルゥ(Recado)を作る≫トマト、ミルトマトとチレ・グアケを手で適当にちぎり、チレ・グアケは1のスープに浸す。右の食材と玉ねぎ、黒コショウ(ホール)を擂り石またはミキサーを使用しペースト状にする(ミキサーを使用する場合は、適宜1のスープを加えながらミキサーにかけ、その後、濾し器で濾す。また、黒コショウ(ホール)は別に粉状にする)。
擂り石を使用した場合は以下のような感じです。少なくとも7回は擂る必要があります(練習中)。右の写真は、一度擂った状態のものです。つぶつぶ(特にトマトなどの種が目立ちます)した感じを、滑らかになるまで擂っていきます。
以下の写真は、左から3回擂ったとき、7回すったとき(右端)の状態です。艶が出てきます。
4. マサを3のルゥにやさしく混ぜていく(マサは手で混ぜられることが多い)。
5. 土鍋に4と2のスープ(600mlほど)、水で溶かしたアチョーテと食塩を加え、中火にかける。一度、沸騰したら火から外す(あまりにもサラサラな状態であれば、好みのとろみがつくまで煮詰める)。
6. 皿に盛り付けて完成。
大量に作るときは写真のように、具材とルゥ(Recado)やスープ(Caldo)が別々に作られ、均等に分けられるように配慮されます。
食べてみる、「いただきます」
マサの素朴な風味と、ほんのり香るアパソ―テとアチョーテによる爽やかさがやさしい味わいを醸しています。サント・ドミンゴ・シェナコフ市でいただいたものに、盛り方を似せました。この料理に欠かせないタマリート(白)や野菜たちをルゥから作ったスープに付けていただきます。タマリートや鶏肉の出汁がしみた野菜がおいしいため、相乗効果のおいしさがありました。プリケ自体にチレは入らないようですが、ik(チレ(Chile)を表す)単語がその名前に入っているようなので、別にピカンテを作り、付け合わせても良かったかなと思いました。
- パナハッチェル市(Municipio dePanajachel, Sololá)やサント・ドミンゴ・シェナコフ市(Municipio de Santo Domingo Xenacoj, Sacatepequez)やサント・トマス・チチカステナンゴ市(Municipio de Santo Tomás Chichicastenango, Quiché)等では守護聖人に感謝をするお祭りの期間に家庭で主に雌鶏のプリケが作られているようです。
- 七面鳥、牛肉や豚肉のプリケが作られる市もあります。
- プリケ(Pulique)の語源は明らかになっておらず、メキシコにも同様の名前の料理があることからナワトル語に端を発するのではないかとも言われているようです。
最後に、材料と作り方のおさらい!
材料
- 鶏肉(骨付き)‥300g程度(3切れにしたもの)
- はやとうり(Guisquil)‥1/2個(くし切りにする、皮は剥いても◎)
- じゃがいも(小)‥6個(皮を剥く)
- にんじん‥1本(皮を剥き、6等分にする)
- 玉ねぎ‥1/3個(皮を剥く、鶏肉への香付け)
- イタリアントマト‥1個(鶏肉への香付け)
- アパソ―テ(Apazote)‥お好みで(鶏肉への香付け)
- 食塩‥小さじ1/2
≪ルゥ(Recado)を作る≫
- イタリアントマト(中、未熟のもの)‥250g程度(手で適当な大きさに割く)
- ミルトマト(Miltomate)‥25g程度(手で適当な大きさに割く)
- 玉ねぎ‥2/3個(皮をむき、輪切りにする)
- チレ・グアケ(中)‥1/2個(手で適当な大きさに割き、鶏肉のゆで汁を加え柔らかくする)
- アパソ―テ‥少々
- マサ(トルティージャのもと)‥大さじ1程度
- アチョーテ(天然食用色素・赤)‥少々(ほんの少し、ひとつまみ程度で〇)
- 食塩‥小さじ1~(お好みで)
- 黒コショウ‥お好みで(ホールの場合は挽く)
作り方
- 普通の鍋にたっぷりの水を入れ、火にかける。沸騰した湯を、土鍋に移し入れ、そこに鶏肉、玉ねぎ、イタリアントマトとアパソ―テを加え、中火~弱火にかける(鶏肉に火が入り、柔らかくなるまで加熱する(1時間程度))。
- 1の鶏肉が柔らかく煮えたら、はやとうり、にんじんとじゃがいもを加え、それらが柔らかくなるまで加熱を続ける(30分程度)。
- ≪ルゥ(Recado)を作る≫トマト、ミルトマトとチレ・グアケを手で適当にちぎり、チレ・グアケは1のスープに浸す。右の食材と玉ねぎ、黒コショウ(ホール)を擂り石またはミキサーを使用しペースト状にする(ミキサーを使用する場合は、適宜1のスープを加えながらミキサーにかけ、その後、濾し器で濾す。また、黒コショウ(ホール)は別に粉状にする)。
- マサを3のルゥにやさしく混ぜていく(マサは手で混ぜられることが多い)。
- 土鍋に4と2のスープ(600mlほど)、水で溶かしたアチョーテと食塩を加え、中火にかける。一度、沸騰したら火から外す(あまりにもサラサラな状態であれば、好みのとろみがつくまで煮詰める)。
- 皿に盛り付けて完成。
鶏肉のホコン / Jocón de pollo
調理時間:1時間半程度
ホコン(Jocón)と呼ばれる、緑色のルゥ(Recado)が特徴的な料理です。このルゥはミルトマト(Miltomate)がベースとなっています。雌鶏で作られるホコン(Jocón de gallina)はグアテマラの無形文化財に指定されており、特別な行事に作られる料理となっています(グアテマラの伝統料理を提供するレストランでは行事に関係なく提供しているところが多いです)。
つ
ながり食材を準備する
- 鶏肉(骨付き)‥450g程度(4~5切れにしたもの)
- はやとうり(Guisquil)‥1/2個(くし切りにする、皮は剥いても◎)
- じゃがいも(小)‥8個(皮を剥く)
- 玉ねぎ‥1/2個(皮を剥く、鶏肉への香付け)
- イタリアントマト‥1個(鶏肉への香付け)
- パクチーの茎‥お好みで(根をきれいに洗い、包丁の背で軽く叩く。鶏肉への香付け)
- 食塩‥小さじ1/2
- イタリアントマト(中、未熟のもの)‥2個
- ミルトマト(Miltomate)‥150g
- パクチー‥1/6カップ分(パクチーの葉のみ使用する)
- ピーマン(緑、小)‥1個(種を取り、輪切りにする)
- チレ・ハラペーニョ(小)‥1個(輪切りにする、種は入れても◎、また辛味が苦手な方は抜いても◎)
- ねぎ‥1/4カップ分(青い部分を使用する、軽く小口切りにする)
- 玉ねぎ‥1/2個(輪切りにする)
- にんにく(小)‥2個
- タマリート(またはトルティージャ)‥1個(縦半分に切っておく)
- 食塩‥小さじ1/2~(お好みで)
- 黒コショウ‥お好みで(ホールの場合は、加える前に挽く)
作ってみる
1. 普通の鍋にたっぷりの水を入れ、火にかける。沸騰した湯を、土鍋に移し入れ、そこに鶏肉、玉ねぎ、イタリアントマトとパクチー(根を包丁の背で叩いたもの)を加え、中火~弱火にかける(鶏肉に火が入り、柔らかくなるまで加熱する(1時間程度))。
ポイントは熱湯から鶏肉を茹で始めることです。水から鶏肉を茹で始めるよりも、水温が上がりやすく、時短にもなります。
2. 1の鶏肉が柔らかく煮えたら、はやとうりとじゃがいもを加え、それらが柔らかくなるまで加熱を続ける(30分程度)。
3. ≪ルゥ(Recado)を作る≫パクチー、食塩と黒コショウを除く、すべての食材を鍋に入れ、2のスープを適宜加え中火にかける。食材が柔らかくなったらパクチーを加え、すべての食材が柔らかくなるまで加熱する。
トマトへの火の通りが悪いため、トマトの表面に割れ目が出来る、木べらで触ったときに崩れる等を確認し、柔らかく煮ていきます。
4. 3の粗熱が取れた後、擂り石またはミキサーを使用しペースト状にする(ミキサーを使用する場合は、適宜1のスープを加えながらミキサーにかけ、その後、濾し器で濾す)。
擂り石を使用した場合は以下のような感じです。少なくとも7回は擂る必要があります(練習中)。右端の写真は、一度擂った状態のものです。つぶつぶ(特にトマトなどの種が目立ちます)した感じを、滑らかになるまで擂っていきます。
以下の写真は、左から3回擂ったとき、5回擂ったとき、7回すったとき(右端)の状態です。
5. 土鍋に4と2のスープ(600mlほど)、食塩と黒コショウを加え、中火にかける。一度、沸騰したら火から外す(あまりにもサラサラな状態であれば、好みのとろみがつくまで煮詰める)。
6. 皿に盛り付けて完成。
大量に作るときは写真のように、具材とルゥ(Recado)やスープ(Caldo)が別々に作られ、均等に分けられるように配慮されます。
食べてみる、「いただきます」
ほんのりとした酸味、辛味、パクチーの香り、そしてトウモロコシ(タマリート由来)のほっこり感…、絶妙な美味しさです。スパイスの使用は黒コショウに限られるために、あっさりさも感じられ、とても食べやすいです。また、ホコン(Jocón)はタマリートと一緒に食べることが常となっています。私はアボガドを付けて食べるのも好きです。
- グアテマラの無形文化財に指定されている料理(および食材)は5つ、ペピアン(PEPIÁN)、ホコン(JOCÓN de gallina)、カキック(KAQ IK)、モレ(PLÁTANO EN MOLE)、グアテマラ県ミスコ市のチョコレート(飲む用)です。
- ホコン(Jocón)の語源はキチェ語(Jo'k'om、レカード(Recado)の意)にあるとのことですが、この料理が作られるウエウエテナンゴ県はマム語、サカテペケス県アンティグア市あたりはカクチケル語が話されており、唯一ケツァルテナンゴ県ではキチェ語が話されている地域が多い印象です(マム語が話される地域もあります)。グアテマラ料理の名称には謎な部分もあり、興味がそそられます。
- ホコン(Jocón)には白ごまやカボチャの種(Pepitoria)が入るとするレシピや、鶏肉(雌鶏等)ではなく牛肉が使用される(Nueva Guatemala de la Asunción市)場合もあるようです。
最後に、材料と作り方のおさらい!
材料
- 鶏肉(骨付き)‥450g程度(4~5切れにしたもの)
- はやとうり(Guisquiñ)‥1/2個(くし切りにする、皮は剥いても◎)
- じゃがいも(小)‥8個(皮を剥く)
- 玉ねぎ‥1/2個(皮を剥く、鶏肉への香付け)
- イタリアントマト‥1個(鶏肉への香付け)
- パクチーの茎‥お好みで(根をきれいに洗い、包丁の背で軽く叩く。鶏肉への香付け)
- 食塩‥小さじ1/2
≪ルゥ(Recado)を作る≫
- イタリアントマト(中、未熟のもの)‥2個
- ミルトマト(Miltomate)‥150g
- パクチー‥1/6カップ分(パクチーの葉のみ使用する)
- ピーマン(緑、小)‥1個(種を取り、輪切りにする)
- チレ・ハラペーニョ(小)‥1個(輪切りにする、種は入れても◎、また辛味が苦手な方は抜いても◎)
- ねぎ‥1/4カップ分(青い部分を使用する、軽く小口切りにする)
- 玉ねぎ‥1/2個(輪切りにする)
- にんにく(小)‥2個
- タマリート(またはトルティージャ)‥1個(縦半分に切っておく)
- 食塩‥小さじ1/2~(お好みで)
- 黒コショウ‥お好みで(ホールの場合は、加える前に挽く)
作り方
- 普通の鍋にたっぷりの水を入れ、火にかける。沸騰した湯を、土鍋に移し入れ、そこに鶏肉、玉ねぎ、イタリアントマトとパクチー(根を包丁の背で叩いたもの)を加え、中火~弱火にかける(鶏肉に火が入り、柔らかくなるまで加熱する(1時間程度))。
- 1の鶏肉が柔らかく煮えたら、はやとうりとじゃがいもを加え、それらが柔らかくなるまで加熱を続ける(30分程度)。
- ≪ルゥ(Recado)を作る≫パクチー、食塩と黒コショウを除く、すべての食材を鍋に入れ、2のスープを適宜加え中火にかける。食材が柔らかくなったらパクチーを加え、すべての食材が柔らかくなるまで加熱する。
- 3の粗熱が取れた後、擂り石またはミキサーを使用しペースト状にする(ミキサーを使用する場合は、適宜1のスープを加えながらミキサーにかけ、その後、濾し器で濾す)。
- 土鍋に4と2のスープ(600mlほど)、食塩と黒コショウを加え、中火にかける。一度、沸騰したら火から外す(あまりにもサラサラな状態であれば、好みのとろみがつくまで煮詰める)。
- 皿に盛り付けて完成。
マッシュキャッサバ(トマトソース入り) / Yuca cocida con salsa de tomate
調理時間:1時間半程度(ほぼキャッサバの茹で時間)
スペイン語ではユカ(Yuca)と呼ばれるキャッサバを柔らかくゆで上げ、すり潰したものに、トマトソースを入れました。こちらの料理は、グアテマラはトトニカパン県同市の市場を訪問するたびに、朝食や軽食として買っていたユカと呼ばれる料理(おそらく原材料名まま)の再現です。
つ
ながり食材を準備する
- キャッサバ(Yuca)‥1本(お好みの量で、今回はおおよそ500g(皮含む)でした)
- 食塩‥小さじ1程度(キャッサバが柔らかく茹で上がった後に加える)
- イタリアントマト(中)‥3個
- 玉ねぎ(小)‥1/8~1/6個(輪切りにする)
- 食塩‥小さじ1/2~(お好みで)
作ってみる
1. キャッサバを好みの5等分にし、皮を剥く。その後、半分に切り、中心部分に筋がある場合は取り除く。
桂剥きのように皮を剥けるとも言われますが、今回は上手く出来ませんでした...。
2. 鍋に多めの水を入れて、中火にかける。水が沸いたところに、1のキャッサバを加え、蓋をして、柔らかくなるまで加熱する(約1時間程度)。キャッサバが柔らかくなったら、食塩を加え、1~2分ほど加熱する。その後、鍋からキャッサバを取り出す(ゆで汁を100ml程度残す)。
3. 2のキャッサバが熱い間に、フォークや木べら等で潰していく。よく潰れたところに、ゆで汁を100mlほど(お好みで)加えて混ぜる(より柔らかい食感になる)。
4.≪トマトソース(Salsa de tomate)を作る≫チレ・コバネロ、玉ねぎとイタリアントマトをフライパンで表面に焼き目が付き、柔らかくなるまで素焼きする。その後、擂り石(Piedra de moler)またはミキサーを使用しペースト状にする(ミキサーを使用する場合は、適宜飲料水を加えながらミキサーにかけ、その後、濾し器で濾す)。
擂り石を使用した場合は以下のような感じです。
5.4と食塩をフライパンに入れ、中火にかける。好みのとろみ具合になるまで加熱し、火から外す。
焦げつかないよう、木べらでかき混ぜながら加熱しました。
6.ラップを使用し、3のキャッサバと5のトマトソースを包んでいく(この過程は省略して◎、お皿に盛って◎)。
今回は、市場で売られている形を表現するために(粗熱を取った後に)ラップで包みました。家庭で召し上がる場合はラップの使用は不要です。
食べてみる、「いただきます」
程よいホクホク感とピリ辛なトマトソースが美味しく、良い塩梅に再現ができました(キャッサバはもう少し食塩を加えた方が味がはっきりとして良かったかもしれません)。少し冷めても柔らかさ、滑らかさが続き、とても驚きました。トトニカパン県同市の市場では、熱々のものをその場で包んでくれ、ひんやりとした朝にはとても嬉しいです。- グアテマラではキャッサバを牛肉のスープ(Caldo de res)に加えられることが多いようです。また、東部地域はリビング・ストン市などではガリフナ族(Garifuna)の料理があり、そこではキャッサバを使用したタマル(Tamal)やアトル(Atol、とろりとした甘い飲み物)なども作られているようです。
最後に、材料と作り方のおさらい!
材料
- キャッサバ(Yuca)‥1本(お好みの量で、今回はおおよそ500g(皮含む)でした)
- 食塩‥小さじ1程度(キャッサバが柔らかく茹で上がった後に加える)
≪トマトソース(salsa de tomate)を作る≫
- イタリアントマト(中)‥3個
- 玉ねぎ(小)‥1/8~1/6個(輪切りにする)
- 食塩‥小さじ1/2~(お好みで)
作り方
- キャッサバを好みの5等分にし、皮を剥く。その後、半分に切り、中心部分に筋がある場合は取り除く。
- 鍋に多めの水を入れて、中火にかける。水が沸いたところに、1のキャッサバを加え、蓋をして、柔らかくなるまで加熱する(約1時間程度)。キャッサバが柔らかくなったら、食塩を加え、1~2分ほど加熱する。その後、鍋からキャッサバを取り出す(ゆで汁を100ml程度残す)。
- 2のキャッサバが熱い間に、フォークや木べら等で潰していく。よく潰れたところに、ゆで汁を100mlほど(お好みで)加えて混ぜる(より柔らかい食感になる)。
- ≪トマトソース(Salsa de tomate)を作る≫チレ・コバネロ、玉ねぎとイタリアントマトをフライパンで表面に焼き目が付き、柔らかくなるまで素焼きする。その後、擂り石またはミキサーを使用しペースト状にする(ミキサーを使用する場合は、適宜飲料水を加えながらミキサーにかけ、その後、濾し器で濾す)。
- 4と食塩をフライパンに入れ、中火にかける。好みのとろみ具合になるまで加熱し、火から外す。
- ラップを使用し、3のキャッサバと5のトマトソースを包んでいく(この過程は省略して◎、お皿に盛って◎)。
プラタノ・エン・モレ / Plátano en mole
調理時間:1時間半程度(ミキサーを使用する場合は45分程度)
熟させたプラタノ(Plátano)と呼ばれる調理用バナナと、チョコレート、種実類やトマトで作られたモレで作られる料理(デザート)です。チョコレートの原材料によってはベジタリアンスイーツにもなります。また、国の無形文化財にされているグアテマラ料理の1つです。
つ
ながり食材を準備する
- プラタノ(Plátano)‥2本(ある程度熟したもの(皮が黒くなってきたもの))
- 食用油‥大さじ1程度(プラタノは油を吸う食材です、焦げ付かないフライパンで焼けたら◎)
- チョコレート(飲む用、カカオと砂糖のみで作られたもの)‥50g(細かく切る、製菓用チョコレートとココアでも〇)
- イタリアントマト(小)‥2個
- ミルトマト(Mil tomate)‥1/6カップ
- チレ・グアケ(Chile guaque)‥1/2個(種とヘタを取り、素焼きする)
- チレ・パサ(Chile pasa、小)‥1/個(種とヘタを取り、素焼きする)
- カボチャの種(Pepitoria)‥1/6カップ(35g程度)
- 白ごま‥1/6カップ(35g程度)
- 黒砂糖‥大さじ1・5
- 三温糖‥大さじ3
- シナモンスティック‥2~3cm(お好みで)
- パン粉‥10g程度(フライパンで空炒りする、パンやクッキーでも◎)
- 食塩‥少々
作ってみる
1. ≪モレを作る≫チョコレート、黒砂糖、三温糖と食塩以外の食材をフライパンまたはコマルで素焼きする(から煎りする)。火加減は弱火~中火。いくつかご紹介。
まずはカボチャの種(今回、カボチャの種を少し焦がしました…)。
チレ・グアケ(焦がしすぎないように注意)。チレ・パサも同様に焦がしすぎてしまうと、モレの味わいがとても苦くなります。
2. 1で素焼き(から煎りした食材)を擂り石(Piedra de moler)またはミキサーにかけペースト状にする(ミキサーを使用する場合は、適宜飲料水を加えてミキサーにかける。その後、濾し器で濾す)。いくつかご紹介。
まずはチョコレートとシナモン。グアテマラで作られるチョコレートは炒ったカカオと上白糖等を擂り石等で挽き、カカオバターで粘度を出し、その語固めているため、その工程を逆走しているような気持ちです。
続いては、トマトとミルトマト、そして二種類のチレです。二種類のチレは素焼きをした後に熱湯をそそぎ柔らかくしました。これらを擂っていくことが難しく、水分量が多いと擂り石よりこぼれてしまいます。擂り終えたときの艶感にとても嬉しくなります。
擂り始める前のモレの食材(写真左)と、擂った後のモレの食材(写真右)です。かれこれ30分程はかかっています(まだまだ、練習中です)。
3. プラタノを斜め切り(7㎜~1cm程度の厚さ)し、熱したフライパンに食用油をしき、プラタノの両面を焼き目が付くまで焼いていく(片面が焼けたら、ひっくり返す)。その後、キッチンペーパーを使用して余分な油を除く。
プラタノの皮を剥いてみると、そして斜めに切ってみると、以下の写真のような感じです。
こちらも焦げすぎに注意。また、プラタノは油を吸う食材のためテフロン加工等の焦げ付きにくいフライパンで焼くと、食用油の使用量も抑えることができます。
4. チョコレートを除く2の食材を土鍋(Olla de barro)または普通の鍋に入れて、中火にかける。沸騰したらチョコレート(約100mlの飲料水で解いたもの)、黒砂糖、三温糖と食塩を加え、好みの濃度になるまで加熱していく(中火~弱火、とろとろとする程度)。好みの濃度となったら、3のプラタノを加え、再度沸騰したら火を止める。
いよいよ、加熱調理に臨む食材たちです。チョコレートは約100mlの飲料水で解いています。
お好みの濃度になるまで煮詰めたらプラタノを入れます。プラタノを入れることで、また冷ますことでも濃度が出ます。
食べてみる、「いただきます」
温かいものをいただきます。とろりとしたチョコレート風味の甘いモレが絡んだプラタノ…、甘党にはたまらない美味しさです。皿についたモレも綺麗にしたくなります。今回は『LA COCINA POPLAR GUATEMALATECA MITOS, HECHOS Y ANÉCDATAS』(Luis Villar Anleu 著)に掲載の作り方を参考にしました。料理教室で教わったレシピではチョコレートの分量が3倍ほど多くなります。また、飾り付け煎り白ごまが振りかけられます。
- グアテマラの無形文化財に指定されている料理(および食材)は5つ、ペピアン(PEPIÁN)、ホコン(JOCÓN)、カキック(KAQ IK)、モレ(PLÁTANO EN MOLE)、グアテマラ県ミスコ市のチョコレート(飲む用)です。
- グアテマラでにおけるプラタノの使用は多種多様あり、葉っぱは主に蒸し料理や生チーズの包みに、プラタノの皮(真っ黒くして乾燥させたもの)はペピアン等の料理に入れられることがあり、プラタノの茎と結合部は自然染色における媒染にもその利用があります。またプラタノのゆで汁は捨てずに、飲まれます(カリウムが溶けているそうです)。
- 20世紀初頭に刊行されたというグアテマラ料理レシピ集によると、モレにはチョコレートが使用されていないようでした(トマトや種実類の使用はありました)。プラタノ・エン・モレと聞くと、チョコレート味と思ってしまうところ、その実が知りたくなる今日この頃です。
最後に、材料と作り方のおさらい!
材料
- プラタノ(Plátano)‥2本(ある程度熟したもの(皮が黒くなってきたもの))
- 食用油‥大さじ1程度(プラタノは油を吸う食材です、焦げ付かないフライパンで焼けたら◎)
≪モレ(Mole)を作る≫
- チョコレート(飲む用、カカオと砂糖のみで作られたもの)‥50g(細かく切る、製菓用チョコレートとココアでも◎)
- イタリアントマト(小)‥2個
- ミルトマト(Mil tomate)‥1/6カップ
- チレ・グアケ(Chile guaque)‥1/2個(種とヘタを取り、素焼きする)
- チレ・パサ(Chile pasa、小)‥1/個(種とヘタを取り、素焼きする)
- カボチャの種(Pepitoria)‥1/6カップ(35g程度)
- 白ごま‥1/6カップ(35g程度)
- 黒砂糖‥大さじ1・5
- 三温糖‥大さじ3
- シナモンスティック‥2~3cm(お好みで)
- パン粉‥10g程度(フライパンで空炒りする、パンやクッキーでも◎)
- 食塩‥少々
作り方
- ≪モレを作る≫チョコレート、黒砂糖、三温糖と食塩以外の食材をフライパンまたはコマルで素焼きする(から煎りする)。火加減は弱火~中火。
- 1で素焼き(から煎りした食材)を擂り石(Piedra de moler)またはミキサーにかけペースト状にする(ミキサーを使用する場合は、適宜飲料水を加えてミキサーにかける。その後、濾し器で濾す)。
- プラタノを斜め切り(7㎜~1cm程度の厚さ)し、熱したフライパンに食用油をしき、プラタノの両面を焼き目が付くまで焼いていく(片面が焼けたら、ひっくり返す)。その後、キッチンペーパーを使用して余分な油を除く。
- チョコレートを除く2の食材を土鍋(Olla de barro)または普通の鍋に入れて、中火にかける。沸騰したらチョコレート(約100mlの飲料水で解いたもの)、黒砂糖、三温糖と食塩を加え、好みの濃度になるまで加熱していく(中火~弱火、とろとろとする程度)。好みの濃度となったら、3のプラタノを加え、再度沸騰したら火を止める。
(以下の写真はざっくりとした作り方です。右横方向に見ていただけたら)
レジェニート / Rellenito
調理時間:40分程度
熟させたプラタノ(Plátano)と呼ばれる調理用バナナと、黒いんげん豆やチョコレート等で出来た餡(Relleno)とで作るグアテマラの甘いデザートです。使用する食材によってはベジタリアンスイーツにもなります。
つ
ながり食材を準備する
- プラタノ(Plátano)‥1本(ある程度熟したもの(皮が黒くなってきたもの))
- パン‥20g程度(両面に焼き目を付けてからすりおろす、パン粉やクッキーでも◎)
- 小麦粉‥適量(揚げるときにレジェニートへ付ける)
- 食用油‥適量(揚げ焼きの分量、オリーブ油を使用すると上手く揚がらない可能性があります)
- 黒いんげん豆(柔らかく煮たもの)‥1/3~1/2カップ
- チョコレート(飲む用、カカオと砂糖のみで作られたもの)‥60g(細かく切る、製菓用チョコレートとココアでも◎)
- シナモンスティック‥少々(素焼きしたもの、粉末でも◎)
- 黒砂糖‥小さじ1
- 食塩‥少々
作ってみる
- ≪餡を作る≫擂り石(Piedra de moler)またはミキサーを使用して、黒いんげん豆、チョコレート、シナモンをペースト状にする(ミキサーを使用する場合は、黒いんげん豆の煮汁を適宜入れ、ミキサーにかける)。
- 1をフライパンまたは土鍋に入れ、黒砂糖と食塩を加えて中火にかける。沸いてきたら弱火にし、好みの固さになるまで木べらで混ぜながら火にかける(今回はすこし固めの餡に、緩すぎる餡だと詰めずらい)。その後、火からおろして冷ます。
- フライパンでプラタノを柔らかくなるまで皮ごと焼く(たいていは皮ごと4等分ほどにし、柔らかくなるまで茹でることが多い)。
- プラタノに火が通り、柔らかくなったら火からおろし、皮を剥く。すりおろしたパンを加え、すり潰しながら混ぜていく(20gすべてを入れなくても◎、べたつきすぎない程度にまとまれば◎)。
- レジェニートの形(俵型)を作って行く(プラタノを皮のように広げ、そこに餡を入れて包む)。
- 小麦粉を適量つけ、食用油で揚げていく(表面がキツネ色になれば◎)。揚げた後はそれらをキッチンペーパーに取り、余分な油を落とす。
食べてみる、「いただきます」
温かいものをいただきます。餡(Relleno)たっぷりのレジェニートに満足しました。プラタノの部分が柔らかければ、揚げたてもトロリとした食感で美味しいですが、少し固くなってしまった場合(今回…)は、揚げたものを少しおく、または冷ましてからレンジなどで再加熱するともっちりとした食感となり美味しくいただきました。飾り付けとその風味のために粉末のシナモンを振りかけましたが、一般的には白砂糖と生クリームで飾り付けがなされます。
- グアテマラでにおけるプラタノの使用は多種多様あり、葉っぱは主に蒸し料理や生チーズの包みに、プラタノの皮(真っ黒くして乾燥させたもの)はペピアン等の料理に入れられることがあり、プラタノの茎と結合部は自然染色における媒染にもその利用があります。またプラタノのゆで汁は捨てずに、飲まれます(カリウムが溶けているそうです)。
- 家庭によっては、黒いんげん豆の煮込み(塩味)をすり潰したもの(Frijol colado)をそのまま使用して、レジェニートを作ること(はじめて教わったレジェニートの作り方でした)、また、マンハール(Manjar)と呼ばれる牛乳のクリームが餡として使われることもあるようです。