JO’

グアテマラのひみつ、その先へ。

ペピアン / Pepián con la receta familiar

©JO‘ ペピアン / Pepian con la receta familiar

©JO‘ ペピアン / Pepián con la receta familiar

調理時間:2時間以上

ペピアン(Pepián)はグアテマラの無形文化財に指定されている料理のひとつです。チマルテナンゴ県(現地語・カクチケル語が話されるエリア)が発祥とされる説もありますが、今回はキチェ県の"私の家族"のレシピを参考に作りました。レカード(Recado)と呼ばれるルゥに、別に調理した鶏肉(今回は茹でました)が入っています。ルゥの作り方を中心にご紹介します。

 

ながり

 

食材を準備する

  • 鶏肉(むね・もも肉合わせて)‥450gほど
≪鶏肉を茹でる際の香づけに≫
  • たまねぎ‥1/4個(適当に切る)
  • にんにく‥1個(皮をむく)
  • パクチー‥4本ほど(根っこ部分はきれいに洗い、包丁の背で叩く)
≪レカードの材料≫
  • 白ごま‥50g(内15gほどをぺピトリア(Pepitoria、かぼちゃの種)に代用することも可能とのこと)
  • チレ・グアケ‥1/2個弱(種とヘタを取り除く)
  • チレ・パサ‥2/3個弱(種とヘタを取り除く)
  • ピミエンタ・ゴルダ‥3つ
  • フランスパン(40g~50g)‥1個
  • たまねぎ‥1/4個(皮をむき、輪切りにする)
  • にんにく(小)‥2個(皮をむく)
  • 赤ピーマン‥2/3弱(輪切りにする)
  • イタリアントマト‥450gほど(皮つきのまま加熱するため、しっかりと洗う)
  • 食塩‥お好みで

 

作ってみる

≪鶏肉を調理する(茹でる)≫

  1. 鶏肉を大き目に切る(450gで5~6等分にするような)。
  2. 鍋に鶏肉と、香りづけのたまねぎ・にんにく・パクチーを入れ、鶏肉がかぶるくらいの水を加える。蓋はせずに火(中火~強火)にかけ、鶏肉に十分火が通るまで加熱する。

≪レカード作りと仕上げ≫

  1. フライパンでごまを炒る(弱火で、ごまが膨らみ、香りが出るまで)。
  2. フライパンでチレ・グアケとピミエンタ・ゴルダ、パンを素焼きする。パンは両面に焼き目が付いたら(焦げ気味にする)、チレ・グアケは色が赤から黒に変わったら取り出し、チレ・パサを焦げすぎない程度に素焼きする。
  3. フライパンでたまねぎ・にんにくを素焼きする。その後、赤ピーマン・トマトもそれぞれ素焼きする。
  4. 上記1~3で調理したすべての食材を擂り石(Piedra)またはミキサーですりつぶし、レカードを作る(ミキサーを使用する場合、必要に応じて鶏肉の茹で汁を加える。また、ミキサーにかけ終えたルゥを一度濾す)。
  5. 土鍋(Sartén または Olla de barroが好ましい)にレカードを入れ、火にかける(中火)。レカードの表面が沸々と沸くまで木べらでかき混ぜつづける。レカードが沸いたら、調理した鶏肉を加え、再び沸くまで加熱する。その間、レカードがあまりにも濃い場合は鶏肉のゆで汁を加えて調整する。※もしくは、鍋に食用油大さじ1程度(分量外)を加えて熱し、調理した鶏肉を入れて焼いた後、再び鍋が熱されたところにレカードを加える、という調理方法も有る。
(↓写真は主にレカードを擂り石(Piedra)で擦る過程です。左横方向に写真を見ていただけたら。)
©JO‘ ペピアン / Pepián con la receta familiar
©JO‘ ペピアン / Pepián con la receta familiar
©JO‘ ペピアン / Pepián con la receta familiar
©JO‘ ペピアン / Pepián con la receta familiar
©JO‘ ペピアン / Pepián con la receta familiar
©JO‘ ペピアン / Pepián con la receta familiar
©JO‘ ペピアン / Pepián con la receta familiar
©JO‘ ペピアン / Pepián con la receta familiar
©JO‘ ペピアン / Pepián con la receta familiar
©JO‘ ペピアン / Pepián con la receta familiar

 

食べてみよ、「いただきます」

ペピアンはタマリート(トウモロコシで作られる主食)と一緒に食することが常で、とてもおいしい相性です。また、キチェの家族のペピアンには、いつも刻み野菜の入ったごはん(通常は塩味の白いごはん)も付き、私にとっては「お祝い事」を連想させる、ハレの日の料理でした(週末、家族・親戚が集まるとき等に作った記憶があります)。もしかすると、ごろごろ野菜(にんじん、じゃがいも、はやとうり等)が入っていたかもしれません。

>©JO‘ ペピアン / Pepián con la receta familiar
  • グアテマラの無形文化財に指定されている料理(および食材)は5つ、ペピアン(PEPIÁN)、ホコン(JOCÓN)、カキック(KAQ IK)、モレ(PLÁTANO EN MOLE)、グアテマラ県ミスコ市のチョコレート(飲む用)です。
  • レストランで提供されるペピアンには、ペピアンにごろごろ野菜が入っており、タマリートと白いごはんが付くことが多いです。家庭によって、地域によっても使用される食材等が異なります。
  • ペピアン(PEPIÁN)の由来は不明で、興味がそそられています(グアテマラの現地語(母語)に端を発しないとのこと)。メキシコにはピピアン(PIPIÁN)と呼ばれる料理があり、かぼちゃの種・ペピータ(PEPITA)が欠かせないとされています。また、ペルーにもペピアンと呼ばれる料理があり、そちらの料理の由来はケチュア語の単語(とろみをつける)にあるとの説もあります。