鶏肉のプリケ / Pulique (Pul'ik) de pollo
調理時間:1時間半程度
プリケ(Pulique、Pul'ik)と呼ばれる、トマトを基本とした少ない食材とトルティージャのもとであるマサ(Masa)でとろみがつけられたルゥ(Recado)が特徴的な料理です。アパソ―テ(Apazoteまたはエパソーテ(Epazote))と呼ばれる香草で香りつけられ、アチョーテ(Achiote)と呼ばれる天然食用色素・赤で赤みが加えられています。鶏肉で作られたプリケは守護聖人に感謝を伝えるお祭り(Feria patronal)の開催期間中に家庭でも作られる市がいくつかあります。
つ
ながり食材を準備する
- 鶏肉(骨付き)‥300g程度(3切れにしたもの)
- はやとうり(Guisquil)‥1/2個(くし切りにする、皮は剥いても◎)
- じゃがいも(小)‥6個(皮を剥く)
- にんじん‥1本(皮を剥き、6等分にする)
- 玉ねぎ‥1/3個(皮を剥く、鶏肉への香付け)
- イタリアントマト‥1個(鶏肉への香付け)
- アパソ―テ(Apazote)‥お好みで(鶏肉への香付け)
- 食塩‥小さじ1/2
- イタリアントマト(中、未熟のもの)‥250g程度(手で適当な大きさに割く)
- ミルトマト(Miltomate)‥25g程度(手で適当な大きさに割く)
- 玉ねぎ‥2/3個(皮をむき、輪切りにする)
- チレ・グアケ(中)‥1/2個(手で適当な大きさに割き、鶏肉のゆで汁を加え柔らかくする)
- アパソ―テ‥少々
- マサ(トルティージャのもと)‥大さじ1程度
- アチョーテ(天然食用色素・赤)‥少々(ほんの少し、ひとつまみ程度で〇)
- 食塩‥小さじ1~(お好みで)
- 黒コショウ‥お好みで(ホールの場合は挽く)
作ってみる
1. 普通の鍋にたっぷりの水を入れ、火にかける。沸騰した湯を、土鍋に移し入れ、そこに鶏肉、玉ねぎ、イタリアントマトとアパソ―テを加え、中火~弱火にかける(鶏肉に火が入り、柔らかくなるまで加熱する(1時間程度))。
ポイントは熱湯から鶏肉を茹で始めることです。水から鶏肉を茹で始めるよりも、水温が上がりやすく、時短にもなります。
2. 1の鶏肉が柔らかく煮えたら、はやとうり、にんじんとじゃがいもを加え、それらが柔らかくなるまで加熱を続ける(30分程度)。
3. ≪ルゥ(Recado)を作る≫トマト、ミルトマトとチレ・グアケを手で適当にちぎり、チレ・グアケは1のスープに浸す。右の食材と玉ねぎ、黒コショウ(ホール)を擂り石またはミキサーを使用しペースト状にする(ミキサーを使用する場合は、適宜1のスープを加えながらミキサーにかけ、その後、濾し器で濾す。また、黒コショウ(ホール)は別に粉状にする)。
擂り石を使用した場合は以下のような感じです。少なくとも7回は擂る必要があります(練習中)。右の写真は、一度擂った状態のものです。つぶつぶ(特にトマトなどの種が目立ちます)した感じを、滑らかになるまで擂っていきます。
以下の写真は、左から3回擂ったとき、7回すったとき(右端)の状態です。艶が出てきます。
4. マサを3のルゥにやさしく混ぜていく(マサは手で混ぜられることが多い)。
5. 土鍋に4と2のスープ(600mlほど)、水で溶かしたアチョーテと食塩を加え、中火にかける。一度、沸騰したら火から外す(あまりにもサラサラな状態であれば、好みのとろみがつくまで煮詰める)。
6. 皿に盛り付けて完成。
大量に作るときは写真のように、具材とルゥ(Recado)やスープ(Caldo)が別々に作られ、均等に分けられるように配慮されます。
食べてみる、「いただきます」
マサの素朴な風味と、ほんのり香るアパソ―テとアチョーテによる爽やかさがやさしい味わいを醸しています。サント・ドミンゴ・シェナコフ市でいただいたものに、盛り方を似せました。この料理に欠かせないタマリート(白)や野菜たちをルゥから作ったスープに付けていただきます。タマリートや鶏肉の出汁がしみた野菜がおいしいため、相乗効果のおいしさがありました。プリケ自体にチレは入らないようですが、ik(チレ(Chile)を表す)単語がその名前に入っているようなので、別にピカンテを作り、付け合わせても良かったかなと思いました。
- パナハッチェル市(Municipio dePanajachel, Sololá)やサント・ドミンゴ・シェナコフ市(Municipio de Santo Domingo Xenacoj, Sacatepequez)やサント・トマス・チチカステナンゴ市(Municipio de Santo Tomás Chichicastenango, Quiché)等では守護聖人に感謝をするお祭りの期間に家庭で主に雌鶏のプリケが作られているようです。
- 七面鳥、牛肉や豚肉のプリケが作られる市もあります。
- プリケ(Pulique)の語源は明らかになっておらず、メキシコにも同様の名前の料理があることからナワトル語に端を発するのではないかとも言われているようです。
最後に、材料と作り方のおさらい!
材料
- 鶏肉(骨付き)‥300g程度(3切れにしたもの)
- はやとうり(Guisquil)‥1/2個(くし切りにする、皮は剥いても◎)
- じゃがいも(小)‥6個(皮を剥く)
- にんじん‥1本(皮を剥き、6等分にする)
- 玉ねぎ‥1/3個(皮を剥く、鶏肉への香付け)
- イタリアントマト‥1個(鶏肉への香付け)
- アパソ―テ(Apazote)‥お好みで(鶏肉への香付け)
- 食塩‥小さじ1/2
≪ルゥ(Recado)を作る≫
- イタリアントマト(中、未熟のもの)‥250g程度(手で適当な大きさに割く)
- ミルトマト(Miltomate)‥25g程度(手で適当な大きさに割く)
- 玉ねぎ‥2/3個(皮をむき、輪切りにする)
- チレ・グアケ(中)‥1/2個(手で適当な大きさに割き、鶏肉のゆで汁を加え柔らかくする)
- アパソ―テ‥少々
- マサ(トルティージャのもと)‥大さじ1程度
- アチョーテ(天然食用色素・赤)‥少々(ほんの少し、ひとつまみ程度で〇)
- 食塩‥小さじ1~(お好みで)
- 黒コショウ‥お好みで(ホールの場合は挽く)
作り方
- 普通の鍋にたっぷりの水を入れ、火にかける。沸騰した湯を、土鍋に移し入れ、そこに鶏肉、玉ねぎ、イタリアントマトとアパソ―テを加え、中火~弱火にかける(鶏肉に火が入り、柔らかくなるまで加熱する(1時間程度))。
- 1の鶏肉が柔らかく煮えたら、はやとうり、にんじんとじゃがいもを加え、それらが柔らかくなるまで加熱を続ける(30分程度)。
- ≪ルゥ(Recado)を作る≫トマト、ミルトマトとチレ・グアケを手で適当にちぎり、チレ・グアケは1のスープに浸す。右の食材と玉ねぎ、黒コショウ(ホール)を擂り石またはミキサーを使用しペースト状にする(ミキサーを使用する場合は、適宜1のスープを加えながらミキサーにかけ、その後、濾し器で濾す。また、黒コショウ(ホール)は別に粉状にする)。
- マサを3のルゥにやさしく混ぜていく(マサは手で混ぜられることが多い)。
- 土鍋に4と2のスープ(600mlほど)、水で溶かしたアチョーテと食塩を加え、中火にかける。一度、沸騰したら火から外す(あまりにもサラサラな状態であれば、好みのとろみがつくまで煮詰める)。
- 皿に盛り付けて完成。